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女性分野の問題

<東日本大震災 被災者・被災地の願いにこたえ、憲法とジェンダー平等にもとづ<希望ある復興を>

私たちは、日本国憲法とジェンダー平等の立場にたって、被災者が希望をもつことができるよう、本格的な施策と復興対策を急ぐことを強くもとめ、提言します。

1、いまこそ憲法の立場で、被災者の生活再建への支援策強化を

○ 生活資金を急いで手元に、生活再建にこそ公的支援をー「手持ちのお金がない」など多くの被災者が生活困難に直面し、食費や生活費が心配で仮設住宅に入居できない事態も生まれています。義援金支給が遅すぎます。急ぎ対策をとり、支給すべきです。

○ 安心して住める住居を一希望者全員が入れる仮設住宅の建設を急ぐとともに、住み続けられる公営住宅を地域住民の要求にあわせて大量に建設するよう、支援が求められます。岩手・住田町の地場産材での仮設住宅のように地元の雇用や産業を重視することが大切です。被災者生活再建支援法を抜本拡充し、支給対象を住宅の全壊・半壊にとどめず、一部損壊や店舗にひろげ、液状化による被害も対象とすることが求められます。梅雨と台風の季節となり、雨対策を急ぎ、倒壊の危険のある家屋・建物の診断と修理補助をすすめる対策が必要です。

○ 仕事の確保、女性の正規雇用化、医療・介護への特別支援をー保育や給食の女性非正規職員が真っ先に解雇された例もあり、「このまま働く場がないと住民が転出し、地域がなくなる」との心配がひろがっています。医療・福祉施設などの再建を支援し、雇用確保にもつながる施策が求められます。最低賃金水準ではなく、十分な賃金が保障される緊急の雇用対策をつよめるとともに、公的分野での女性や若者などの正規雇用化へ県の支援が必要です。

○ 学校、保育所、子どもの学ぶ条件整備を一避難所になっていたり、校舎が被害を受けていたり、授業を受ける環境がひどすぎる学校もあります。小中高校の整備・改築、クーラー設置、教職員の加配など、安心して学べる環境と条件整備が急がれます。就学援助、返済不要の給付制奨学金、授業料免除などを十分行き届かせ、学ぶ権利を保障する措置が求められます。被災者の仕事を保障するうえでも臨時保育所や仮設保育所・学童保育所の設置、保育料の減免・無償化など、積極的措置をとるべきです。

2、放射能汚染からと子どもを守る対策を強めて

○ 情報の全面開示、個人用の線量計配布、線量にもとづく避難を一情報やデータの小出しは不信と不安を招くだけであり、事態の全容とデータを正直に全面的に公開すべきです。大気(1メートル以下)、地表、土壌、汚泥、プール、海などの線量測定を、県内すべてで細かく実施し、全面開示が必要です。

○ 子どもの健康と安全第一の緊急策を一文科省がめざすとした「年間1ミリシーベルト以下」にそって、学校、幼稚園、保育所、学童保育所、児童館、通学路、公園、プールや海水浴場など、子どもの安全確保のための緊急対策と必要な財政的措置をとるべきです。

○ エネルギー政策の転換を-6割に急増する原発縮小・廃止の世論に反し、危険な原発を維持しつづけることは許されません。女川原発の再稼働に反対します。国に対しても原発から撤退する期限を決めたプログラムをつくることを求めます。

3、復興に女性の参画を、被災者・県民が主役に

○ 復興委員の30%以上は女性に一国連女性差別撤廃委員会の総括所見、第3次男女共同参画計画にもとづき、避難所運営への女性の参加、被災地での防犯やDV防止対策・相談活動などをすすめるとともに、県・地域の復興委員に女性が「30%以上」・(第・3次計画)を占めること、復興における女性の役割を高めることが求められます。

4、高齢者や障害者が安心して暮せる地域コミュニティー

○ 高齢者や子ども、障害者などへの人権への配慮と、女性や子どもへの暴力を許さないコミュニティーづくりをすること。そのために専門家の配置を求めます。

○ 市民センターやコミュニティーセンターなどに女性のための相談窓口を設けること。

○ 被災によるPTSDなどに配慮し、心のケアの充実をはかること。