1、「宮城県震災復興計画(第1次案)」では「災害廃棄物の処理(P5、P22)」の項で、「津波被害により陸域・海域に発生した膨大な量の災害廃棄物の処理を迅速かつ適切に実施するため」①復旧期に於いては「市町村が自ら処理することが困難な場合は、県が代行して処理を進める。1年以内に現場から1次仮置き場に撤去し、分別の上、おおむね3年以内に大規模な2次仮置き場に移動し1元的に処理する。②再生期及び発展期においては、循環資源の3 R(廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用)の県民や事業者一人ひとりの行動を促進し、環境型社会を支える基盤の充実と実現に取り組む。等と言う極めて一般的・抽象的な記述でお茶を濁しています。
2、現実はどうでしょうか。例えば、①第1次仮置き場について言えば、石巻の場合などは石巻商業高校のすぐ側に設置され、悪臭などで耐えきれない環境を強いています。②仮設住宅のみならず、瓦傑撤去も大手ゼネコンに一括発注がなされ、地元業者をないがしろにしています。③防塵マスクの着用はもちろん、アスベスト調査・対策等は極めて不十分な状況に放置されています。④第2次仮置き場については、他がすべて公共用地なのに対して、気仙沼市本吉町小泉地区は民有地かつ河川敷側であるなど、極めて問題な選定で、地権者などの反対の声が強まっています。
このように極めて多くの問題がすでに現出しています。
3、今重要なことは、「大災害による緊急事態」等を口実に、廃棄物処理の貴重な蓄積の上に築かれてきた『将来にわたって環境負荷を残さない廃棄物の処理原則』をしっかりと堅持した対策を推進することであり"緊急避難等という、でたらめな対応”は決して許さないことです。
そのためにも、
① 将来にわたってのケアも顧慮に容れ、地元企業の参加ならびに仕事を失った地元の農業者等の採用なども積極的に推進すること。
② そのためにも、「自衛隊が撤去作業を行った地域は補助対象外」などといわせず、きめの細かい廃棄物処理制度を確立し、100%国負担を堅持すること。
③ アスベスト被害、焼却や焼却灰などのダイオキシン被害、新たな重金属被害、更に放射能被害など、地下水対策も含めて、長期的な環境被害を許さない『処理指針』を、早急に確立すること。
④ 暑さに向かって、ハエ対策などを含む「環境・衛生対策」を国の責任で早急に講じること。
⑤ 廃棄物処理に対する『県民の声の窓口』を設置すること。