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避難所・在宅避難

被災者のいのちと人権を守る立場から、避難所・仮設住宅・在宅被災者の実態を踏まえて、以下のことを提起します。何よりも、義援金の配布、生活再建支援金の給付、失業者の雇用の確保、生活保護手続きの援助などを行い、被災者の生活基盤を回復することが急務です。

1 避難所について

① 災害救助法の特別基準に基づき1日1500円への食費の引き上げを徹底し、メニューの多様化、適温食の提供、必要カロリー数を含む栄養のバランスの確保、高齢者等要援護者に配慮した食事を提供する。被災者のプライバシーの確保、暑さ対策、冷蔵庫の設置、入浴・洗濯の機会の確保等生活環境の改善を図る。

② 全ての避難者が必要な医療や歯科医療が受けられるようにする。地域の医療機関と避難所をつなぐ交通手段(巡回バスなど)を確保する。避難所入所者の健診の実施、保健師や心のケアチームの巡回を行う。

③ 全ての避難所において、要支援者・要介護者に対する介護サービスが受けられるようにする。高齢者・障がい者・病弱者・妊産婦・母子などハンディキャップをもった被災者のための二次避難所・福祉避難所を拡充する。

④ 各避難所に子ども達が勉強できるスペースや机等を確保する。また、インターネットを利用できるパソコンを設置し、避難者が必要な情報を得られる措置を講じる。

⑤ 避難所の自治組織作りを援助し、運営に女性も参加し要求が反映するよう配慮する。

⑥ 身体に障がいを抱えたり、ペット同伴のために避難所に入れず、やむなく車中生活をしている被災者が少なくないー。福祉避難所を拡充し、ペット同伴可能な避難所を設ける。また、震災によりPTSDにり患し自宅があっても戻れずやむなく車中生活をしている人も災害救助法の対象であることを認め避難所生活ができるようにすべきである。

⑦ 以上の各項目について、避難者に十分に情報が行き渡るような措置を講じる。

2 仮設住宅・在宅被災者について

① 仮設住宅入居者も災害救助法の対象とし、救助を必要とする人には食事の提供(1日1500円の特別基準)や医療の提供等を実施する。家族数に見合った布団やタオルケット、夏服、台所用品など必要な生活用品の配布を行う。県に保管されている25万箱の物資の情報を県民に明らかにし、必要な被災者に届ける。

② 仮設住宅と医療機関、市役所、商店街などをつなぐ巡回バスを運行する。

③ 孤独死などの二次災害を防ぐため、仮設住宅居住者および在宅被災者の健診や、保健師・心のケアチームの巡回を行う。

④ 仮設住宅の自治組織作りを援助し、集会所の活用やコミュニティー作りを進める。

⑤ 仮設診療所や「ケア付き仮設住宅」「高齢者のサポート拠点」「地域包括支援センター」の整備を進める。仮設住宅の建設にあたっては、高齢者・障害者・病弱者・妊産婦・母子などのハンディキャップをもった被災者に配慮したバリアフリー化を行う。

⑥ 仮設住宅のまわりに店舗の設置や移動販売ができるよう、県や自治体で援助する。

⑦ 仮設住宅の建設にあたっては、まちづくりや先を見通した住宅再建をめざして、「被災者生活支援法」の適用拡大や支援金の増額を行い、「自力仮設住宅」や「木造仮設住宅」の実現を図る。また、それらを地元業者に発注し、被災者・被災地の経済復興を図る。

⑧ 民間賃貸住宅を仮設住宅として借り上げる際には、間取りだけという基準のみで判断するのではなく、地域の実態に合わせて被災者の立場で柔軟に対応する。

⑨ 在宅被災者についても災害救助法の対象とし、自治体で実態を把握し、食事や必要な物資の支給、保健師の巡回、情報の提供と諸手続きの援助等を行う。

⑩ 仮設住宅入居説明会を事前に行い、その上で、申し込みを受け付ける。また、優先順位を明確にしてそれを厳守する。また、仮設住宅の入居場所は、被災者の震災前の生活を最大限に考慮し子どもたちが学区外の仮設住宅に移り住む事がないよう充分配慮する。